因指見其月
指に因って その月を見
因月弁其指
月に因って その指を弁ず。
此月与此指
この月とこの指と
非同復非異
同じに非ず また 異なるに非ず。
将欲誘初機
まさに初機を誘(いざな)わんと欲して
仮説箇譬子
仮に箇の譬子(ひし)を説く。
如実識得了
如実に識得しおわれば
無月復無指
月もなく また 指もなし。
「意訳」
指で月を示すとも月で指を知るとも考えられる。
この場合、月と指は同じものではないが、さりとてちがったものでもない。
この比喩は初学者を導くため、仮に説かれるのだが、その道理がそのままわかれば、月もなく指もなく、本来無差別なることを会得するだろう。『良寛詩集』東郷豊治編著
なんまんだぶ なんまんだぶ なんまんだぶ
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2015年5月16日 9:38 PM
正しく指し示す指によって月をみることがでれば、月を見させてくれた指は正しかったと言える。
月を見れた結果からいうと、月と指とはどちらも欠かすべからざる一つのものである。
指と月は覚りのために必要な例えではあるが、覚りを得た境地にはもはや、指も月も要らぬものとなる。
ああ、
仏祖の加護に依らざれば我が道なく
阿弥陀仏の弘誓なくば我が住処なし
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏