大悲のまなざし

林遊@なんまんだぶつ Post in 仏教SNSからリモート
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ネタ切れで、過去のSNSでの日記から転載。

記憶の底にある東井義雄先生の著作からうろ覚えで書いてみる。文中の校長先生とは東井先生のことである。

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ある中学で夏休みに水泳大会が開かれた。種目にクラス対抗リレーがあり、各クラスから選ばれた代表が出場した。
その中に小児マヒで足が不自由なA子さんの姿があった。からかい半分で選ばれたのである。だが、A子さんはクラス代表の役を降りず、水泳大会に出場し、懸命に自分のコースを泳いだ。その泳ぎ方がぎこちないと、プールサイドの生徒たちは笑い、野次った。

その時、背広姿のままプールに飛び込んだ人がいた。
校長先生である。 校長先生は懸命に泳ぐA子さんのそばで、「頑張れ」「頑張れ」と声援を送った。その姿にいつしか、生徒たちも粛然となった。
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これを原案にして中学生日記というNHKのドラマで放映され事があった。全員ゴールしているのに、アンカーになった障害者であるA子さんが、一人だけパタン、パタンと変な泳ぎ方でプールを泳ぐ。

いじめた奴を殴り倒し糾弾するのは簡単だ。
水泳のレースを即座に中止する事も簡単だ。
でも、A子さんはA子さんの境遇の中で生きていくしか道はないのだ。誰も代わることの出来ない生を生きているのだから代わりはない。
頑張ってくれ、お前に与えられた人生を生きてくれ、仏さまは、そう言いながら私の人生を泣きながら荘厳して下さっているのかも知れん。

なんまんだぶつは、仏さまを讃嘆すると同時に、仏様が林遊を、なんまんだぶつと荘厳して下さる言葉かも知れんな、ありがたいこっちゃな。

なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ……

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