浄土真宗の「信心正因」という言葉が独り歩きをして、この言葉と苦闘し悩み苦悩してきた同行をたくさん見てきた。また、「信心決定」というタームに青い顔をして聴聞している方もたくさん見てきた。
こんな難しいご法義なら、もう聞かん!といってお仏壇に鍵をかけた人もいたと聴いたこともある。
家の爺さんは、そのような人に『安心決定鈔』を読むことを勧めていた。この書物は「西山派」の書とされるが、自己が拵えた信心や、確信とか自覚を信心と錯覚している方には、眼から鱗のような趣がある書だと思ふ。なんまんだぶが説いてあるからである。 また二種深信の解説も、「わが身は罪深き悪人なりと思いつめて」などの言葉によって、いわゆる罪悪感に陥りやすい者にとって有益な視点を提供してくれるであろう。
と、いうわけで、「西山派」の顕意道教上人(1239-1304)作の『竹林鈔』をUPしてみた。日本語を漢文の文法で表現しているし、送り仮名がないので読みにくいので出来るだけ簡便にしてみた。御開山と少しく時代は下がるがほぼ同時代の浄土教の空気を感じられる書物だと思ふ。
なお、御開山は、隆寛律師、幸西大徳、聖覚法印や西山派の派組である善恵房証空上人などと同じグループに属していたと聞いたことがあった。
なんまんだぶ なんまんだぶ なんまんだぶ