坊さんの勉強会に出た新発意から問いがあった。
『正信念仏偈』の龍樹章の出拠云々だが、出拠の判らない文は『智度論』だろうと言われたそうである。
坊さんは判らないと困って、すぐ智度論を出してくる(笑
と、いうわけで該当しそうな文を提示した。
釈迦如来楞伽山 為衆告命南天竺
龍樹大士出於世 悉能摧破有無見
宣説大乗無上法 証歓喜地生安楽
『入楞伽經』より。
如來滅度後 未來當有人
大慧汝諦聽 有人持我法
於南大國中 有大徳比丘
名龍樹菩薩 能破有無見
爲人説我法 大乘無上法
證得歡喜地 往生安樂國(*)
読み下し。
如来滅度の後に、未来に当(まさ)に人有り。
大慧、汝よ諦聴せよ、人有りて我が法を持せん。
南大国中に於いて、大徳の比丘有り。
龍樹菩薩と名づけ、能く有無の見を破し、
人の為に我が法の 大乗無上の法を説き、
歓喜地を証得して 安楽国に往生せむ。
1.顕示難行陸路苦 信楽易行水道楽
2.憶念弥陀仏本願 3.自然即時入必定
4.唯能常称如来号 5.応報大悲弘誓恩
『易行品』より対象となる語をピックアップ(*)。
1.陸道歩行則苦。水道乗船則楽。
2.阿弥陀仏本願如是~是故常応憶念
3.即時入必定。
4.応以恭敬心 執持称名号
5.『易行品』には「応報大悲弘誓恩」に相当する語はないのであるが、『安楽集』引用の『大智度論』(意)に、為報恩故 常願近仏( 報恩のためのゆゑに、つねに仏に近づかんと願ず。)(*)などとあるところの意を表現されたものであろう。